FF1・無限マイキャラ設定語り用ブログ。
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あいつも。
……俺も。
クレイドル03に見捨てられた人間だ。
…でもな。
「…悪ぃな」
俺は、ストレイドの銃口を「そいつ」に向けた。
「…答えなんて奴は、最初から出てるじゃねぇか。くだらねぇ」
あいつが命懸けで守ったものを。
俺は守ってやらなくちゃならない。
…それが…約束だろ?
なあ…シーナ。
---------
それは、夕暮れの綺麗に見える展望台で。
俺の気に入りの場所だってことを、あいつはよく知っていた。
俺にとってあいつは、弟みたいな存在だった。
…お互いに、俺達は身寄りが無くて。
幼いあいつは、結構無理をして俺に会いに来ていたんだろう。
…あいつは、リンクスになりたいと言っていた。
リンクスになって、たくさんの人を守りたい…と。
だがあいつには、AMS適性はなかった。
リンクスになるのは…絶望的だった。
「ウォル!」
そう言ってあいつが駆け込んできた時の笑顔は、俺は一生忘れないだろう。
「僕にも、AMS適性があったんですよ!!」
ほんの少しだけど、AMS適性があるかもしれないんです。だから、僕もリンクスになれるかもしれない。
あいつは目を輝かせてそう言った。
AMS適性の低い人間が、リンクスとして戦う…それがどれほど過酷なことか、俺はその時、まだ何も知らなかった。
シーナは「研究機関」とやらに隔離され、リンクスとしての訓練を受けていたという。
その頃俺達は、もう滅多に会うことなんかできなくなっていた。
モニタ越しにあいつからの通信が入ったのは、あいつが研究機関に行って半年が経った頃だった。
通信、それもアクティブじゃなく、パッシブの通信。ただ記録された映像を届けるだけの通信だ。
その中に映ったシーナは、酷くやつれて見えた。
……それでも、俺に何が出来ただろう。
俺はパッシブの通信をあいつに送り、あいつの無事を祈ることしかできなかった。
あいつが俺に会いに来たのは、その次の春だった。
クレイドルには人工の庭が設けられている。その庭の桜が咲き誇る季節だった。
あいつが指定したのは、その桜の庭だった。
早めに着いた俺が待っていると、時間ぴったりにあいつが駆けてきた。いつもどおりのあいつらしい登場の仕方だったが、全身が酷く弱っているのがよくわかった。
ほら、そんな身体で駆けてくるから、転ぶじゃねぇか。
思った瞬間には身体が動いていた。
芝草と散り敷いた桜の花びらに足をとられて、あいつが転ぶ。
一瞬早く、俺の腕があいつを抱き止めていた。
……そのまま、強く強く抱きしめた。
あいつの身体は酷く痩せていた。
ほとんど服越しに骨の形が判るような、その背を撫でた。抱きしめていると、あいつの温もりだけは変わらず伝わってきた。
…あいつが、おずおずと俺の背中に腕を回すのが分かった。
「…無茶しやがって」
言うと、あいつがぎゅっと腕に力を込めた。
肩にもたれたあいつの首は恐ろしく細くて、埋め込まれたAMS接続用のジャックが痛々しかった。
しばらく、そうして背中を撫でてやっていると、あいつがぽつりと言った。
今度、試験機の担当リンクスとなるのだと。
低装甲で高機動の、高いAMS技術を必要とするネクスト。
それは、AMS適性の極めて低いあいつには、無謀とすら言える任務だった。
部外者の俺にさえ分かった。
これは、そのネクストの「下限」を試すための任務だと。
おそらく、シーナは潰される。
…潰されるまでにどの程度「もつ」か…それを試すためのものに他ならなかった。
今や、リンクスは…企業の駒でしかない。
でも、俺にとってこいつは、
「…辞めちまえよ」
「え?」
「辞めちまえよ、リンクスなんて!…帰ってこいよ」
お前ひとりくらい、俺が食わせてやるから。
そう言うと、あいつは寂しそうに笑って、言った。
もう、戻れないのだと。
俺達に許された時間はほんの僅かだった。
あいつが外出を許されたのは、ほんの半日程度に過ぎず。
俺はクレイドルのシャトル発着口まで、あいつを送っていった。
俺達はほとんど口を聞かず、ただ固く手を繋いで歩いた。
おそらく、もう会うことは出来ないのかもしれない。
けれど、ほんの少しの可能性を祈って、俺達は手を繋いだ。
あいつが倒れたと知らせが入ったのは、それからしばらく経った頃だった。
例の試験機の運用中に意識を失ったという。
AMSによる極度の精神的負荷。
コジマ兵器の使用に伴う、コジマ粒子汚染。
それらと併発した肉体的負担。
それでもあいつは最後に、これでいい、と言ったそうだ。
年が明け、また春になって。
俺はAMS適性を見出され、あいつと同じリンクスになった。
…いや、ならざるをえなかった、のだろう。
クレイドルは、企業に買われた俺の居場所を、取っておいてはくれなかった。
地上のとある都市に、小さな病院がある。
あいつは、そこで眠り続けている。
AMS負荷による精神崩壊だと、医師は言っていた。目を覚ます可能性は9割無いだろうと。
それでも、俺はその1割を信じている。
…だから、
「……行ってくる」
俺は、眠り続けるあいつの髪を撫でて。
……戦場へと、足を向けた。
--------------
クレイドル03。
それは、俺達の故郷で、俺達を見捨てた、下らない選民思想に支えられた「ゆりかご」だ。
俺には、奴らを憎む理由がある。
そうでなくとも、奴らに風穴を空けることには、政治的な意味がある。
…だが、
あいつが守ろうとしたのは、人間の命だ。
馬鹿なあいつは、ネクストの力が人間の命を守ると信じて、ああして命を賭けてまで戦った。
…俺は、到底そうは思わない。
ネクストは破壊のための兵器で、リンクスはそのパーツに過ぎない。
俺自身、人類を救うだの人類の腐敗だの、そんな思想や信念は何もない。
俺にあるのは、たったひとつだけだ。
「……シーナ。
お前ならきっと…こうするだろう?」
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